振り返れば、もっと夜中まで起きていたい、それなのに眠くなってしまう、という悩みの方が多い人生だった気がします。学生時代から、徹夜というものが出来ず、寝落ちしてばかり。それが今や、不眠との闘いの日々。
不眠の始まりは、ちょっとしたストレスでした。そもそも眠くならないし、夜中に何度も起きる。朝も早く目が覚める。昼間の体調がおかしくなってきました。頻繁に起こる頭痛や眩暈。頭に常にもやがかかったようです。これはまずい。
まず、不眠関係の本をいろいろ読んだり、サプリメントを試してみました。サプリメントは何箱飲んでも全く効かず。どうやら、寝る前にリラックスするのが大事とのこと。環境音楽をかけてみたり、ハーブティーを飲んでみたり、ストレッチをしたり。効果はいま一つ。
まだまだ克服はできていません。しかし、不眠という視点から寝られるようになることばかり考えていましたが、今はやりの朝活とも関係がありそうだと気が付きました。朝活をするためには早起きしなければなりませんが、睡眠が良くとれていなければ朝すっきりと早起きすることなどできないからです。
そんな中、人間の生体リズムに関連させた早起き方法が、不眠にも使えるのではないかと思い立ちました。そもそも人間の本能としての食欲と同じように、眠くなって寝るという本有が備わっているはずだからです。
- メラトニンリズム
メラトニンリズムとは、メラトニンというホルモンの分泌量の増減のことで、身体へのダメージや疲労を睡眠中に回復させてくれるのがメラトニンです。起床から4時間以内に朝の光を浴びることで分泌量が減り、脳が活性化します。夜になると分泌量が増えていき、入眠から3時間後に最も多く分泌されます。
このリズムを活用するには、目覚めたら少しでも早く強い光を浴びることです。1分でもいいです。庭やベランダに出るのが一番ですが、窓際でも構いません。朝の強い光を浴びることでメラトニンの分泌がストップし、身体に日常生活のスイッチが入ります。2度寝しそうなときも、とりあえずカーテンや窓を開けることで目覚めやすくなります。朝の光が、昼の元気と夜の眠気を作っているのです。
- 睡眠―覚醒リズム
睡眠―覚醒リズムは、脳の働きを管理するために人間は1日2回眠くなるという仕組みのことです。人間の身体は、目覚めている限り眠気を引き起こす物質が溜まっていきます。この眠気を感じるリズムが、起床から8時間後と22時間後にみられます。
よく、昼食後にお腹がいっぱいになると眠くなる、と言われることがあります。昼食後だと13時や14時でしょうか。6時起床の方だと、7~8時間後にあたりますので、まさに睡眠―覚醒リズムに合っています。
では、昼間の眠気にはどう対処すればいいのでしょうか。眠気を感じる前に先手を打って仮眠を取ることです。本格的に眠気を感じてから睡眠をコントロールするのは難しいからです。人間の脳は目から入ってきた情報をなんでも分析してしまう習性があるため、目をおけていると脳が活発になってしまって休憩できません。1分でもよいので、休憩時間にこまめに目を閉じることで、頭がすっきりしてきます。この際、昼寝のように横になってしっかり寝てしまうとその後の覚醒リズムに悪影響を与えてしまうため、座ったまま頭を固定して仮眠するのがお勧めです。ネックピローなどを用意しておくと便利かもしれません。
- 深部体温リズム
深部体温リズムとは、その名の通り内蔵の温度の上がり下がりのリズムです。起床後徐々に上がっていき、11時間後に最も高くなり、その後また下がっていきます。
例えば6時起床のひとだと、17時頃が最も深部体温が高く、身体が良く動く時間帯になります。この時間に運動をしてより深部体温を上げれば、反動で夜に深部体温が低くなり、質の高い眠りを得ることができます。
しかし朝から仕事などで活発に活動していれば、夕方から夜にかけては疲れが出てきます。ここで、デスクワークの場合、頬杖を突いてしまったり足を組んでしまったり、背筋が曲がってしまったりしがちです。なかなかこの時間帯にトレーニングを開始するのは難しいかもしれませんが、姿勢を正してみましょう。肩を後ろに引いて、背筋をピンと伸ばし、下腹部に力を入れてみましょう。筋肉を意識することで、深部体温を上げることができます。
帰宅途中の通勤電車で熟睡してしまったり、在宅仕事の場合は夕方にうたた寝をしてしまったりすることもあるでしょう。これは、夜の睡眠に悪影響を及ぼします。本来体温を上げるべき夕方に下げてしまうからです。電車内ではよい姿勢で立つ、うたた寝しそうになったら散歩に出る、外に出るのが面倒だったら階段の上り下りやスクワットをしてみるなど、少し工夫してみることで夜の良質な睡眠を得ることができます。
以上を簡単にまとめます。
- 起きたらすぐ光を浴びる② 昼間眠気を感じる前に目を閉じる ③夕方姿勢を正す
特に努力や気合がなくても取り組めると思いますので、参考にしてみてください。
参考文献)菅原洋平著 「究極の「早起き」プログラム」
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