チーズあれこれ

スタッフコラム

 チーズはお好きですか?

 匂いが苦手、なんていう人もいらっしゃると思いますが、私は大好きです。

 最近では世界各国のおいしいチーズが手軽にスーパーなどで購入できるようになりました。また、韓国料理や和食にチーズを合わせる料理などが流行して、これからもっと需要が増えています。

チーズとは

 さて、チーズとは、乳酸菌や酵素(レンネット)の働きで乳のたんぱく室を固めたものです。

 牛や羊、山羊などの原料乳の違いや発酵や熟成方法などにより数えきれないほどの種類のチーズが世界各国に存在します。

 乳というひとつの材料でこれほど多くの種類がある食品はチーズくらいではないでしょうか。

プロセスチーズ

 少し前まで日本ではプロセスチーズが主流でした。

 プロセスチーズはゴーダやチェダーなどのナチュラルチーズを加熱溶融して再度冷やし固めたもので、衛生的で保存性も良くマイルドで食べやすいチーズです。

 形状や大きさも、多種多様でスライスや6P、キャンディタイプなどさまざまです。

 ただ、加熱加工してあるので、ナチュラルチーズのように熟成度合いによる味の変化は楽しむことができません。

ヨーロッパのチーズ

 世界中にあるチーズですが、私のおすすめはやはりヨーロッパのチーズです。

 とくにフランスはチーズ大国、本当に美味しいチーズがそれぞれの村に存在します。

 フランスはどんな僻地に行ってもパンとチーズだけは美味しいという話もあります。

1.カマンベール

 日本でおそらく一番有名な白カビチーズはカマンベールです。

 カマンベールはフランス北部ノルマンディ地方のオージュ渓谷南のカマンベール村でできました。

 他の地域でも作られるようになりその種類もたくさんありますが、乳牛のルマンド種を使用し、伝統的な製法で作られたカマンベール・ド・ノルマンディは格別です。

 また、ノルマンディ圏のカルヴァドスには特産品のカルヴァドス(りんごのブランデー)を製造段階で混ぜ込んで熟成させ、表面にカルヴァドスを浸み込ませたカマンベール・ド・カルヴァドスなどというものもあります。

2.ブリーチーズ

 カマンベールの次に有名なブリーチーズ、こちらも各地で作られるようになり、その食べやすさから人気があります。

 その特徴は大きさ。直径36~37cm、重さは2.5kg~3kgで白カビチーズのなかでは破格です。店頭ではカットされて売られています。

 ブリーの中でおすすめはブリー・ド・モーです。

 フランス、ブリー地方を代表する白カビチーズで、同じ地域でうまれたブリ―・ド・ムラン、クロミエと合わせてブリー3兄弟と呼ばれています。

 モーの特徴はカットした時のトロッと柔らかい少し黄色をおびた美しい、断面です。見るだけで美味しいことがわかります。

3.ウォッシュタイプ

 白カビチーズが好きな方なら、ぜひウォッシュタイプのチーズもおすすめします。

 ウォッシュタイプは匂いがきつくて苦手という方もいますが、癖になる味です。

 ウォッシュタイプはその名の通り、外皮を塩水や酒で洗いながら熟成させたチーズのこと。

 チーズの表面についている菌で熟成させるもので、これらの金は分解力が強く、匂いが強烈なため熟成中は数日ごとに表面を塩水やワイン、ビール、ブランデーなどその土地の酒で洗います。

 外皮は匂いが強いのですが、中は非常にマイルドです。

 比較的食べやすく、よく店頭で見かけるのはピエ・ダングロワ、マンステールなどです。専門店などに行かなくてはお目にかかることができないのですが、モン・ドール(金の山というフランスにある山の名前が由来)という本当に美味しいウォッシュチーズがあります。

 こちらは秋~冬限定です。エピセアの樹皮で巻き、定期的に塩水で洗い熟成させて木箱に詰めます。中身がとても柔らかく表皮の上の部分を取り除き、スプーンですくって味わいます。

 芳醇な樹の香りと濃厚なミルクの味でとても幻想的。かなり前に食べたことがあるのですが、私の記憶にその味がしっかり残っています。

4.ブルーチーズ

 ウォッシュと同じくらい好みの分かれる、ブルーチーズ。

 大理石のようにきれいな青かびが特徴ですがこちらも香り、そして塩味が強いので大嫌いという人も多いです。

 世界3大ブルーチーズ、ご存じですか。

 イタリアのゴルゴンゾーラ、イギリスのスティルトン、フランスのロックフォールです。ロックフォールだけは羊乳で作られているのでこの中では独特な味わいです。ゴルゴンゾーラは今やどこにいっても手に入る代表的なブルーチーズでピリッとした味わいのピカンテとマイルドなドルチェの2種類があります。

 フランスチーズだからロックフォールがおすすめ、と言いたいところですが、万人受けするのはイギリスのスティルトンです。旨味が凝縮されてそれほど青かび特有の香りはしません。

 ほんの少しをパンにのせたり、クリームチーズと合わせたりして食べると絶品です。

 くれぐれも、白カビチーズのように一口大にカットしてそのまま食べてしまわないように。

 かなり塩気が強いので。そのまま食べるならカンボゾラやカマンブル―など白カビチーズとブルーチーズの中間のようなものがおすすめです。

5.硬質タイプ

 ゴーダやチェダーなどプレスして水分を取り除き乳酸菌の力でゆっくり熟成させる硬質タイプのチーズも御馴染みです。熟成期間によってセミハードタイプとハードタイプにわかれます。

 フランスで有名なのはコンテ、スイスではチーズフォンデュに使われるエメンタールやグリィエール、ラクレット、イタリアではパルミジャーノ・レッジャーノ。こちらはハードタイプの代表格でイタリアチーズの王様とも呼ばれます。

 パルミジャーノ・レッジャーノは日本では粉チーズのイメージがありますが、実は粉チーズ=パルミジャーノ・レッジャーノではありません。

 パルメザンチーズと称されるパルミジャーノ・レッジャーノ風チーズ、もしくは他のハードタイプチーズを粉にしたタイプが主流です。中には原料がプロセスチーズだったりするものまであります。確かに、パルミジャーノ・レッジャーノはとても高価なのでこれを原料にしたら、スーパーで売る価格にはなりません。

まとめ

 さて、フランス産の美味しいチーズを選ぶ際、「AOP」という認証システムを覚えておくと通です。

 原産地名称保護と訳されEUが定めた品質認証システムです。この審査に通ったチーズにのみこのマークが付けられます。

 他にも熟成させないフレッシュチーズ(モッツァレラやフェタ)や珍しいキャラメルのように煮詰めたチーズなど、ご紹介したいチーズはたくさんあります。

 ぜひ、店頭でめずらしいチーズを見つけたらチャレンジして買ってみて欲しいです。

 きっと新たな食の発見があると思います。

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