絵本の読み聞かせ効果

絵本スタッフコラム

 お子さんに絵本の読み聞かせをしたり 自分が幼いころ読み聞かせをしてもらった記憶は ありますか? 

 「小さいうちからたくさんの絵本に触れて本の魅力を感じてほしい。」

 「本の中に入り込む面白さを知ってほしい。」

 「本好きな子供へと成長する第一歩になってほしい。」

 そう思ってはいても、毎日の家事に追われ忙しい中、お子さんにねだられて仕方なく読んであげたこともあるかと思います。

 しかし、絵本の読み聞かせの時間はママ、パパ、おじいちゃん、おばあちゃんと子供たちとの最高のコミュニケーションであると思います。

情緒を豊かにする

 絵本の読み聞かせをするとき、子供との距離はとっても近いはずです。

 子供を膝の上に乗せて読み聞かせているかもしれませんし、寝る前に暖かいお布団にくるまれて 顔をくっつけて読み聞かせているかもしれません。

 この距離で読み聞かせをすることがスキンシップになり、IQやストレス耐性が上がるといわれています。

 そしてそんな親子等のスキンシップを伴った読み聞かせは情緒の発達にも効果を発揮するそうです。

 情緒とは簡単に言うとうれしい、悲しい、怖い、楽しいなどといった気持ちや感情のことです。

 最初は読み聞かせをする大人たちが子供と一緒に喜んだり悲しんだり怖がったりすることでいろんな感情を学びます。

 そのうち、子供は絵本からいろいろな感情を読み取れるようになり子供の感情はどんどん豊かになっていくのです。

 情緒を豊かする事は、今後コミュニケーション能力を身に着けるうえで必要不可欠な要素になります。

 絵本の読み聞かせは、情緒を豊かにするのに最適な手段といえるでしょう。

想像力や語彙力を豊かにする

 また、絵本のよみ聞かせには情緒の発達とともに想像力も豊かにする力があります。

 幼児向けの絵本は完結な言葉と分かりやすい絵が描かれているものが多いですよね。

 聞こえてくる言葉と絵も見ながら子供は絵本の中で自由に想像することができます。

 子供が文字を拾い読みする姿はほほえましいものですが、それは文字という記号を音声に変えているに過ぎず、本を読んでいることにはならないそうです。

 この想像力は将来自分で本を読むために必要な力で、その力は絵本を読んでもらうことによって培われ、子供が本と仲良しになっていくための自然な道筋だそうです。

 読み聞かせには語彙力を増やす効果もあります。いろいろな言葉に触れその意味を知ることで、子供は新しい言葉を次々と自分のものにしていくのです。

 語彙力だけではなく、言葉の音やリズム、繰り返しの面白さなどにも気づくことができるのも読み聞かせの大切な効果の一つです。

 また、読み聞かせをすることで文字や本に対する抵抗が少なくなり、将来本好きになるステップになると思います。

同じ本を繰り返し読む効果

 子供が同じ本ばかり持ってくると読む親のほうが飽きてしまって疲れてしまうことありますよね。

 他の本にしたほうがいいのじゃないのといいたくなりますが、子供が何度も同じ本を読みたがるのはとても自然なことなのだそうです。

 子供がこの本を面白いと思っている証拠でもあるそうです。

 何度も何度も繰り返し読むことで子供は次に何が起こるか覚えてしまいます。

 おこることがわかっていてもワクワクしながらそれを待ち、そしてそれを楽しみます。

 そんな繰り返しの中にも子供の視点の新しい発見が潜んでいるものだそうです。

 また、絵本は子供にだけ恵みをもたらすのではなく、子供と一緒に絵本を楽しむ大人へも、同じくらいの恵みをもたらすそうです。

大人にも効果あり

 読み聞かせには読んでいる大人側の心身バランスを整える効果が高いと言われています。

 大人になると物語の主人公になりきることができなくなります。

 一方、子どもは 現実と空想の世界を行き来できる存在。

 そんな子供の力によって、大人は読み聞かせしている間だけ、一緒に物語の世界に連れて行ってもらい、登場人物になりきる冒険を味わうことができるのです。

 それは絵本自体に大人の心を整える作用があるからです。

 子供への読み聞かせで触れた絵本はママや大人達の抱えている悩みに対して答えをくれることがあるのです。

 読み聞かせは子供のためにと頑張りすぎる必要はありません。

 読み方がたどたどしく、下手でも、アナウンサーのようにきれいな声でなくてもかまいません。

 大切なことは読み聞かせる側を楽しむということなのです。

奇跡のお話

 最後に、奇跡のお話を紹介いたします。

 1971年ニュージーランドで生まれつき目が見えず、耳も聞こえず、重い障害をもち1歳まで生きられないといわれた女の子が生まれました。

 希望の光を信じてクシュラのママは生後4カ月のクシュラに絵本を毎日毎日読み続けました。

 すると、クシュラは絵本に反応を示し、3歳になるころには、人並み以上の知能を得て、走ることができるようになったというのです。

 赤ちゃんの反応はとても小さなものであったと思います。

 でもママはその小さな反応を見逃しませんでした。

 絵本がクシュラの言葉や会話それ以上の力を引き出した奇跡のお話です。

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