令和1年5月24日に「食品ロス削減推進法」が成立しました。
新聞やニュースでは目にするものの、実際どの程度の問題なのかよくわからずにいました。
食品ロスの実情とはどういったものなのでしょうか?
食品ロスとは
食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食品のことを指します。
日本の食品廃棄物等の量は、年間2,759万t(平成28年度)。
この中で食品ロスは643万t。
これは実に10tの大型トラック1,770台分を毎日廃棄していることになるのだそうです。
食糧難に苦しむ人々に送られる世界の食糧援助量が年間380万トンなので、日本の食品ロスはその1.7倍に当たります。
年間1人当たりの食品ロス量は51㎏。1人当たりのコメ消費量54㎏に相当する量です。
もっとわかりやすく言うと、毎日1人お茶碗1杯分(139g)を捨てているというのです。
食品ロスの出所
食品ロスの出所を調べると
- 家庭 291万t
- 食品メーカー 137万t
- 飲食店などの外食産業 133万t
家庭からが一番多いなんて、予想外です。
平成13年に食品リサイクル法が施行され、食品産業では「発生抑制の目標値」を設定して推進を図っています。
しかし、食品ロスを発生させる要因の一つとして、私たち消費者の過度な食品鮮度志向があると言われているのです。
家庭で起きる食品ロスとは
家庭で捨てられやすい食品
- 1位 主食(ご飯・パン・麺類)
- 2位 野菜
- 3位 おかず
捨ててしまう理由
- 1位 食べきれなかった
- 2位 傷ませてしまった
- 3位 賞味・消費期限が切れていた (消費者庁)
ロスを起こしやすい原因としては
- 作りすぎ
- 買いすぎ
- ため込みすぎ
- 欲張りすぎ
- 片づけが苦手
など。誰もが何かしら当てはまりそうですね。
家庭で何ができるか
食材を使い切れる分だけ買うようにすることが一番ですが、そのためには、
① 買い物に行く前に、家にあるものをチェックしてから行く。冷蔵庫・冷凍庫だけでなく、食品庫・床下収納なども忘れずに。おすすめはスマホで写真を撮る事。
② 家にある食材を優先的に使うようにメニューを考える。
③ カット野菜などを利用し、確実に使い切れる分を購入する。切らずに使えるし、少量だけ必要な時も便利です。
家にある食材を把握するために、冷蔵庫の「見える化」を。
① カテゴリーに分けて収納する。
- 食品庫 麺類・乾物・粉もの・調味料・飲み物・非常食など
- 冷蔵庫 定番食品・期限の近いもの・調理予定が決まっているもの、食べかけなど。
② それぞれの置く場所を決める。
ジャンルに分け、同じものは1か所に。期限の短いものを手前に、など。
③ とりあえず置くスペースをつくる。
フリースペースをつくり、詰め込みすぎを防ぐ。
④ ストックのルールを決める。
補充は残りがどのくらいになってから、縦に収納する、中身が見えるように透明のケースを使うなど、自分流のルールを簡単に決める。
整理整頓が簡単にできるようにすることで、全体を把握することにつながり、無駄買いを防ぐことになりますね。
良い状態で保存して使い切ることも大切
① 買って来たら(もらったら)すぐに下処理をする。
② 冷凍する場合は、新鮮なうちに。調理は解凍後すぐに。
③ 保存するときは、使うときのことをよく考えて。
④ 何が冷凍に向いているのかなど、食品の特性を知る。
肉・魚
- トレーから出す。
- 使う分量ごとにフリーザーパックに
- アルミは早く凍るので上手に活用する(ホイルやトレーなど)
- 菌が繁殖しやすい室温解凍はさけ、冷蔵庫でゆっくりと。
きのこ類
洗わず石づきを落として、使いやすい大きさに切って。
葉物野菜
- 茹でても、そのままカットしても冷凍できる
- 生のままはシャキッとした食感が失われやすいので味噌汁などに使用する。
パン類
- ひとつずつ、ラップやアルミホイルでくるむ
- 自然解凍か凍ったままトースターで焼いても
賞味期限を正しく理解する。
おいしく食べることができる期限のことです。消費期限との違いを正しく理解する。
企業も取り組んでいます。
- 食品棚の「てまえどり」をしよう(生活協同組合コープこうべ)
- ロングライフ製法でおいしく長持ち(森永乳業)
- 技術を駆使し「賞味期限の延長を実現」(キューピー㈱)
- 啓発活動「つれてって!習慣」(フードロスチャレンジプロジェクト)
これは、
① 賞味期限の近いものから順番に。
② 無駄なく使い切れるように、食べられる量だけをつれてって。
③ 家にあるものを思い出しながらつれてって。
という運動です。
- 「フードドライブ」
フードバンク等に家庭で余った食べ物を寄付する活動。
専用のBOXが設置されているスーパーマーケットや地方公共団体などがあります。
- 「サルベージ・パーティ」
余っている食材を持ち寄り調理した料理でパーティをすることを言います。
プロの料理人が調理してくれるパーティもあります。
- 客が食べきれなかった料理を持ち帰ることができたり、小盛りメニューを用意している飲食店をウェブサイトで紹介している。(府中市)
- 料理の持ち帰りを客が望んだ場合、衛生上の問題がなければ飲食店が応じることを
- 努力義務とした「しまつのこころ条例」を制定している。(京都市)
- 食べ残しゼロに協力する店を募集して、275店が認定されている。(福島県)
などなど。様々間取り組みが行われているのですね。
まとめ
大切なのは一人一人が「もったいない」を意識すること。
食品ロスを減らすため、まずはキッチンの掃除かな…。
自分のできるところからやってみようと思いました。(一部抜粋 消費者庁)
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