会社で購入した商品券の経理処理方法

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 会社で贈答用などで商品券を買った場合に、買ったときに接待交際費として経費にしているケースが多いと思います。

 買った商品券をその年度内に、取引先などに渡している場合は問題ないのですが、買った商品券を年度をまたいで持っていると、期末日時点に会社が持っている商品券は、貯蔵品という棚卸資産になり、法人税の計算上で問題になります。

 商品券を経費にするのは、その商品券を取引先に渡したり、その商品券を経費の支払いに使った時点になります。

 このことを知らずに、節税目的で、決算前に商品券をまとめ買いするようなことをしてしまうと、大きな税務リスクを負うことになりますので、今回は商品券の経費処理方法について、ご説明したいと思います。

1.商品券を買ったら受払簿をつける

 商品券は、買ったときに経費にすることはできません。

 消耗品の場合は、一定の条件を満たすと、買ったときに経費にすることができますが、商品券については、そのような特例はありません。

 商品券は、買った時点では、必ず貯蔵品という棚卸資産にしなければなりません。このため、商品券を会社で買った場合には、貯蔵品という棚卸資産を管理するための、受払簿をつける必要があります。

 受払簿には、受け入れの方には、「いつ」「どこで」「いくらの」商品券を買ったかを記載します。

受 払簿の払い出しの方には、「いつ」「誰に」「何のために」「いくら分の」商品券を渡したのかを記載します。この記載内容については、必ずもれなく記載するようにしてください。なぜかというと、商品券を渡したことについての内容は、受払簿から確認するほかないので、受払簿に記載内容が漏れていると、後で正しい経理処理ができなくなってしまうからです。

 また、商品券を渡した相手や理由によっては、会社の経費にできない場合がありますので、税務調査の際に、会社の経費であることを証明するためにも、受払簿の記載内容が重要になります。

 商品券についての経理処理は、この受払簿を使って行います。

2.受払簿から経理処理の仕訳を入力

 商品券に関する仕訳は次のような流れになります。

商品券を買ったときの仕訳

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
貯蔵品100,000円現金及び預金100,000円

商品券を使ったときの仕訳(取引先に謝礼として1万円分渡した場合)

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
接待交際費10,000円貯蔵品10,000円

 商品券に関しては、買ったときに経費にすることは一切できませんので、貯蔵品の計上漏れを防止する意味でも、購入時には貯蔵品として経理処理しましょう。

 この場合、商品券を使ったときには、会社の現金や預金は動かないので、商品券を使ったことは、受払簿の記録から把握して、経理処理することになります。

 このように商品券は、事務負担の増大や税務リスク増大につながってしまいますので、用途が明確な場合に限って利用するようにしましょう。

3.まとめ

 決算前に節税のために商品券をまとめ買いをしようとするケースがあります。

 しかし、商品券はそもそも、貯蔵品という棚卸資産として、資産にしたうえで、取引先等に渡した時点で、経費にすることが可能になるものです。

 その上、商品券については、必ず「誰に」「何のために」渡したのか、さらには、本当に渡したのかを、税務調査の際に問題視される可能性があります。

 受払簿がしっかりとつけられていなければ、「社長が個人のポケットに入れたんでしょう」と言われても、反論することはできません。

 決算前の商品券のまとめ買いは、節税ではなく、脱税とみなされてしまいますので、絶対にやめまししょう。

 また、商品券は脱税や裏金作りなど、不正の手段として利用されるケースが多いので、無用な疑いを招かないようにするためにも、どうしてもほかに手段がない場合にに限って、商品券を利用するようにしましょう。

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