1分で話せ

書評記事書評

 本書は、ヤフー・アカデミアという企業内大学の学長として、様々な講義を行いプレゼンテーションの指導をしている著者が、 プレゼンを中心に、人に対して話して伝えるためのノウハウを解説した本です。

構成

 本書は、序章から始まる全8章構成になっています。

 序章では、人に話して「伝える」目的は相手を「動かす」ことであると設定したうえで、そのために1分で話すことが重要であるとしています。

 第1章では伝えるための基本事項として、相手は誰か、相手の興味は、ゴールは動かすことを改めて明確にし、第2章で、本書全体を通して軸となる、ピラミッドでロジックを作ることを提示し、第3章以降で著者の経験談も含めて、具体的に1分で話す方法の説明に入っていきます。最後の第7章は、会議・プレゼン・上司への提案・取引先との商談・ファシリテーションの準備方法について、さらっと触れています。

ピラミッドのロジック

 結論・根拠・例示のピラミッド構造でロジックを作って話すというのは、ビジネス文書を書く場合には、自然と行っている方が多いと思いますが、これを人前で話す場合に行うのは、なかなか難しいものです。

 ぶっつけ本番では、まず不可能でしょう。

 本書でも、最終的な結論としては、とにかく事前に練習を沢山しましょうということになっています。

 つまり、本書は、1分で話して動いてもらうための練習をする際の、マニュアルのようなものと考えていただくのが良いのではないでしょうか。

 本書自体の通読は60分もあれば十分ですが、本書を読む意味は、1分で話す練習を効率的に行うことが出来るようになるというもので、読めば話せるというものではないことは、事前に把握しておいていただくと良いかと思います。

 内容的には、当たり前のことで、わかってはいるけれど、いざ実践しようと思うと、相当なトレーニングが必要なことばかりというものになっています。

左脳と右脳

 本書では、最終的な目的である動いてもらうことを実現するために、左脳と右脳を刺激することで理解してもらうだけではなく、イメージを想像させる方法として、ピラミッドを3段で作ることを勧めています。

 結論を裏付ける根拠で、左脳を刺激して理解を促し、根拠につながる事例で右脳を刺激してイメージを想像させるという流れを作ることが必要だということです。

 相当なトレーニングを積まないと、出来ることではありませんが、コツコツと積み上げていくことが必要でしょう。

まとめ

 従来からある話し方のノウハウ本を、ピラミッド・ロジックという軸できれいにまとめたという感じで、特に新しい情報が得られるというタイプの本ではありません。

 しかし、話すことで動かすというビジネスのプロフェッショナルである著者が、実務と講義のを通じてブラッシュアップしたスキルを、余計な情報を極力排除して、必要最低限の部分だけ抽出して、トレーニングを効率的に行うことが出来るようにしているという部分に、本書の意義があるかと思います。

 ビジネスに携わる方は、本書を使って、トレーニングをコツコツと続けていくことで、将来的につぶしの効くスキルを身に着けることが出来るのではないかと思いますので、是非ご一読ください。

1分で話せ|SBクリエイティブ
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