eスポーツビジネスの現状

eスポーツスタッフコラム

 皆さんは「eスポーツ」という言葉を聞いたことがありますか。

 今回は、日本は出遅れてしまっていますが、世界的には新しい産業として、大きく発展する可能性の高い eスポーツ について、概要をお伝えしたいと思います。

eスポーツ とは

 eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」の略称であり、広義には、電子機器を用いて使う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使ったスポーツ競技のことを指します。

 簡単に言ってしまうと、複数人のプレイヤーで対戦するゲームをスポーツと解釈して「eスポーツ」といいます。

 世界の競技人口は1億人以上といわれており、競技人口以外に観戦や視聴したことがあるという人は約5億人といわれています。

 また、大会のほとんどには賞金が用意されており、2018年のとあるゲームタイトルの賞金総額は46億円となっています。

 ひとくくりにゲームといっても、eスポーツでは「プレイされているゲーム」と「プレイされていないゲーム」と分かれており、「プレイされているゲーム」の公認条件は以下の通りになります。

  • ゲーム内容に競技性が含まれること(競技性)
  • ゲームとして3か月以上の運営・販売実績があること(稼働実績)
  • 今後もeスポーツとして大会を運営する予定があること(大会の継続)
  • eスポーツとしての大会の興行性が認められること(興行性)

 つまり、競技性のあるゲーム(ゲームとして3か月以上の運営、販売実績がある)を、ゲーマーが対戦する大会を、一般公開で継続的に開き、それを見に来る客やスポンサーからお金を徴収するのが 、eスポーツビジネスということになります。

eスポーツでプレイされているゲーム

 ではeスポーツでプレイされているゲームはどのようなゲームなのか、ジャンル別に紹介していきます。

FPS、TPS(シューティングゲーム)

 主なタイトルとしては、バトルフィールド、コールオブデューティーシリーズ、スプラトゥーン等があります。

格闘ゲーム

 主なタイトルとしては、ストリートファイターシリーズ、鉄拳シリーズ、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ等があります。

スポーツゲーム

 主なタイトルとしては、NBAシリーズ、FIFAシリーズ、ウイニングイレブンシリーズ等があります。

パズルゲーム

 主なタイトルとしては、テトリスシリーズ、ぷよぷよシリーズ等があります。

 上記のタイトルはまだ一部で、この他にもeスポーツとして大会が行われているタイトルはまだまだあります。

 もしかしたら皆さんが遊んだことがあるゲームも選ばれているのではないでしょうか。

日本国内におけるeスポーツ

 中にはeスポーツをスポーツと呼ぶことに抵抗を感じる方もいるのではないでしょうか。

 「スポーツ」を「体を動かす」の意味に限定して捉えられがちな日本では、そう思う方が多いのは事実ですが、英語の「sport」は「それ自体が生活の役に立たない行動」、もう少し意味を狭めても「そのうえで競技性を持つもの」という広い意味を持つものになります。

 実際にアメリカではすでに、国が「eスポーツを」「スポーツ」として認めており、「プロゲーマー」が「スポーツ選手」であることを認めています。

 また、韓国や中国でもeスポーツが非常に発展していて、市場規模も日本とは桁違いになっています。

 日本国内でもゲームの大会自体は数多くあります。

 ただ、海外のプロ選手を代表として招待する世界的な大会が開催されることは少なく、賞金の扱いや金額も日本国外と比較すると事情が大きく異なっており、出身プレイヤーがビデオゲームのプロスポーツ選手として活動することは難しいのが現状でもあります。

 こうした理由には各種メディアにおけるゲームの価値観や倫理面の問題、スポンサーの不足、そして何より刑法(賭博罪)の関係もあり、日本では現状プロスポーツとしての定着には厳しい環境となっています。

 特に法律上の影響は大きく、世界大会に日本人プレイヤーが招待されることはあっても、日本人が優勝した場合のみ、賞金は支払わないという大会もありました。

まとめ

 上記のように法律関係が絡むため日本はeスポーツ発展途上となっています。

 CS放送によるeスポーツを取り上げた番組を放送したり、一般社団法人 日本eスポーツ協会(JeSPA)主催による大会などが開催されていますが、知名度の低さや地元チームが生まれにくい環境からくるスポンサー不足が足かせとなっています。

 ここ最近に関しては、プロスポーツ選手の育成を目的とした専門学科が開設されたり、国内のプロゲーマーを雇う専門の会社が設立されたりと、ジャンルの発展を目指す基盤づくりがなされています。

 また、コミュニティ間においても大会経験のあるプレイヤーによる広告活動も行われています。

 これらをうまく活用すれば、日本のサブカルチャーとしてのゲーム業界に一石を投じられるため、今後のゲーム大手の動向にも注目が集まっています。

コメント