Measure What Matters メジャー・ホワット・マターズ

書評記事書評

副題が「伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法OKR」となっているように、本書はOKRについての解説書です。

1.構成

 第1部では「企業はOKRをどう使っているのか」というテーマで、グーグル、インテル、リマインド、ヌナ、マイフィットネス・パル、インテュイット、ゲイツ財団、ユーチューブなど、OKRを実際に運用している企業の事例をベースに、OKRの4つの特徴である、「フォーカスし、コミットする」「アラインメント」「トラッキング」「ストレッチ」について、説明しています。

 第2部では「働き方の新時代」というテーマで、 アドビ、ズーム・ピザ、ルメリス、ONEキャンペーンといった、 OKRを運用している企業の事例をベースに、 OKRの運用に必要なCFRについて、年次勤務評定から継続的パフォーマンス管理へのシフト、文化への影響などについて説明しています。

 参考資料として、GoogleのOKR実践マニュアルなどもあり、全体として、OKRの実際の運用風景がリアルに感じられるようにできています。

2.OKR

 OKRは目標(Objectives)と主要な結果(Key Results)の頭文字を取ったもので、企業やチーム、個人が協力して目標を設定するための手順のことです。

 Googleが取り入れて、大成功を収めたことで有名になり、スタートアップ企業などが取り入れるケースが増えているようですが、そもそもの発祥はインテルのアンディ・グローブだそうです。

 アンディ・グローブといえば、「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」が有名で、私もいままでに読んだビジネス書の中で、最高に実践的なものだと思いますし、実際自分で不完全ながら実践してみて、その有用性を実感しました。

 そのアンディ・グローブが発明したOKRも、Googleのようなテック企業だけでなく、全ての企業経営者にとって、有効なものだと思います。

 自社にとって、どのような形でOKRを導入していくかについては、良く考えて慎重に進めていかなければ、実効性のある運用は不可能だと思いますが、今後の経営環境を考えた場合には、導入を考えていかなければならないものだという印象は強いです。

CFR

 CFRは、対話(Conversation)、フィードバック(Feedback)、承認(Recognition)の頭文字を取ったもので、従来の年次勤務評定に代わる継続的パフォーマンス管理を実践する手段のことです。

 OKRは概念・手法としてはシンプルですが、実際に運用する場合には、様々なコミュニケーションの障害に対する理解と、継続的な対応が必要になるため、CFRが重要になります。

 継続的パフォーマンス管理のためには、OKR・CFRを報酬と評価から切り離して運用することが一番重要なポイントで、ここが明確になっていないと、形だけ導入しても無意味に終わってしまいます。

 報酬と連動しないところで運用されるOKR・CFRというものは、年次勤務評定に慣れてしまっているとなかなかイメージしにくいでしょう。また、業績数値と直接関係しないOKR・CFRを運用していくということ自体の必要性がイメージできない経営者も多いと思います。

 しかし、若年層の仕事に対する考え方を踏まえると、目先の業績数値を目指すだけの経営では、持続的な成長は困難になるでしょう。その意味でも、全ての経営者に導入を検討してもらいたいと思います。

まとめ

 経営者は、ある程度事業が軌道に乗ってきて、次のステップを目指す場合、プレイヤーから経営者へと意識を変えていかなければならないと思います。

 その段階の経営者から、プレイヤーから離れると何をしたら良いのかわからない、という相談を受けることがあります。

 本書は、そのような方に、是非読んでいただきたいと思います。本書を読むと「やることが無い」とはとても言えなくなるでしょう。

https://www.nikkeibook.com/item-detail/32240

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